家づくりの豆知識⑤|耐震等級って何? 安心のための住宅性能
地震の多い日本では、住宅の耐震性能は非常に重要なポイントです。「耐震等級」とは、住宅の耐震性能を数値で示す指標で、国が定める「住宅性能表示制度」に基づき評価されます。等級は1〜3の3段階に分かれており、数字が大きいほど耐震性が高く、家族の安心につながります。
耐震等級1
建築基準法で定められた最低限の耐震基準を満たす住宅です。震度6強〜7程度の地震で倒壊・崩壊しないことを目安としており、一般的な住宅の多くはこの等級に該当します。
耐震等級2
耐震等級1の1.25倍の耐震性能を持つ住宅です。大規模な地震でも被害を軽減することが期待でき、自治体によっては住宅ローン減税や保険の優遇が受けられる場合もあります。
耐震等級3
最高等級で、耐震等級1の1.5倍の耐震性能を持ちます。消防署や警察署などの防災拠点と同等のレベルであり、より高い安全性を求める方に適しています。

耐震等級を高くするために必要なポイント
住宅の耐震等級を高めることは、地震への備えとして非常に重要です。
等級を上げるには、構造や設計のさまざまな要素に注意する必要があります。特に意識したいポイントは以下の通りです。
1. バランスの良い間取りと形状
正方形や長方形などシンプルでバランスの良い形状の建物は、地震の揺れを分散しやすく、耐震性能が高まります。
複雑な形状や飛び出し部分が多い建物は、強度を確保するために構造補強が必要です。
2. 耐力壁の配置
耐力壁は地震に対抗する柱や壁のことです。建物全体にバランスよく配置することが重要で、偏った配置は揺れを大きくしてしまいます。
構造計算に基づき、必要な位置と量を計画することが耐震等級アップにつながります。
3. 接合部の強化
柱と梁、梁と壁の接合部分は地震の力が集中する箇所です。
金物や構造用合板などを用いてしっかりと接合することで、建物全体の耐震性能が向上します。
4. 材料の品質と施工精度
耐震性能は材料の強度だけでなく、施工精度にも大きく影響します。
高品質な木材や鉄筋コンクリートを使用し、施工時に隙間やゆがみが生じないよう丁寧に仕上げることが必要です。
5. 設計段階での構造計算
耐震等級を確実に高めるには、設計段階で構造計算を行い、安全性を数値で確認することが欠かせません。
耐震等級2以上を目指す場合は、専門家による構造計算が必須です。
耐震等級は、単なる数字ではなく、家族の命を守る住宅性能の目安です。
耐震等級を高めるためには、間取り・耐力壁・接合部・材料・構造計算の5つのポイントを総合的に考慮することが重要です。
LIVIA一級建築士事務所では、安全性と暮らしやすさを両立させた設計で、安心して住める住まいをご提案しています。
