断熱について
こんにちは。
建築士の大橋です。
今回は断熱のことについて書いていきたいと思います。
2025年より一般的な住宅でも省エネ基準「断熱等級4」の適合を義務付けられます。ただ、この断熱基準は「クリアすべき最低基準」とも言われており、決して高い断熱基準ではありません。それを裏付けるように、2030年以降は「断熱等級5」をすべての新築住宅に適合が義務付けられることが既に決まっているのです。
そこで改めて「断熱について」のことをお伝えできればと思い話題にしてみました。
- 断熱性能とは -
室内の温度を一定に保ち、外部の気温の影響を最小限に抑えるための性能です。
断熱性能が高い住宅は、冷暖房のエネルギー消費を抑えることができ、「夏涼しく、冬暖かい住まい」を維持することができます。
単純に説明すると以上のようなこととなります。
さらには、断熱性能を高めることで、部屋の温度が安定し健康にもいい影響を与えます。
小さなお子様やご高齢のご両親が、急激な温度変化にさらされることなく、常に快適に過ごせる環境が整います。特に、冬場に寒さでヒートショックを心配する必要がないことは、家族の安心にもつながります。
健康で省エネ、医療費や光熱費も抑えられるので断熱性能を高めることは、様々な面でメリットが多いのです。
ただ、少し難しい内容が多く建築を知っている人でない限りどこをどのようにすれば良いのかが分かりにくい部分だと思います。
例えば、私は車のエンジンには詳しくないので、車の購入を検討する際にエンジンの細かい性能までは確認しません。
確認しないというか、「分からないから検討しようがない」という表現が正しいのだと思います。
それでも満足して車には乗っています。
おそらく住宅でも同じようなことが、住まい手側で起こっているのではないかと思います。
断熱性能にはこの記事の冒頭で出てきた「断熱等級」というものがあります。
これは住宅の断熱性能と省エネ性能を表す指標で、国土交通省が定めた「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づいています。
等級は、等級1~等級7まであり数字が大きい方ほど高性能なものとなります。
まずは、この断熱等級を目安に住まいづくりを検討されるのが良いかと考えます。
- 断熱等級 -
- 等級1:最も低い基準で、断熱性能が最も低い住宅を指します。この等級は、古い住宅などでよく見られますが、現代の省エネ基準には適合しません。
- 等級2:ある程度の断熱性能を持つ住宅。過去の省エネ基準に基づいていますが、現在の基準よりもかなり低い断熱性能となります。
- 等級3:等級2よりは、断熱性能が向上しており、一定のエネルギー効率が確保されています。
- 等級4:2020年の省エネ基準に基づいた住宅です。この等級の住宅は、断熱性や気密性が確保され、省エネ性能に優れています。2025年以降は、すべての新築住宅に断熱等級4への適合が義務づけられることが決まっています。
- 等級5:等級4の基準よりも厳しい、ZEH(ゼッチ)の断熱水準を満たすUA値・ηAC値への適合が求められます。「断熱等級を4と比較して、約20%の省エネにつながるレベルとされています」
- 等級6:HEAT20のG2レベルの基準を満たす断熱性能を示します。HEAT20とは一般社団法人「 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」の略称で、より快適に暮らすための断熱性能の基準値(主にUA値)のグレードをG1~G3として定めています。このG2では、京都・滋賀エリアであれば冬の室温がおおむね13度を下回らないことがもとめられます。「断熱等級を4と比較して、約30%の省エネにつながるレベルとされています」
- 等級7:HEAT20のグレードがさらに高いG3レベルの基準を満たす断熱性能を示します。G3では、京都・滋賀エリアであれば冬の室温がおおむね15度を下回らないことが求められ、G2よりもより断熱性を高める工夫が必要になります。「断熱等級を4と比較して、約40%の省エネにつながるレベルとされています」
個人的には「断熱等級6」程度の断熱性能がおすすめです。
この「断熱等級6」は、2025年に義務化される「温熱等級4」と比較して、約30%の省エネにつながるレベルとされています。
HEAT20のG2と呼ばれる性能で、京都・滋賀エリアで冬の室温がおおむね13℃を下回らないように断熱計画を行います。
近い将来、「等級5」より下の断熱性能の住まいは基準以下になってしまいます。
そうならないように今から先取りして「等級6」レベルの住まいを計画することで、快適で健康に住まえて、省エネで光熱費も抑えられる暮らしが実現できるレベルとなり、さらには資産価値も確保できるのです。
LIVIA一級建築士事務所でも、「断熱等級6」を推奨しようとしておすすめしております。
少し長くなりましたので、続きはまたの機会に。
下の画像は断熱性能を検討している時の画像です。