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ドイツツアー

松岡 大玄 自己紹介へ
2019/03/21(木) 松岡大玄

STIEBELさんに誘われ、2年に一度ドイツで開催される、国際冷暖房・衛生設備・空調専門見本市のISHに行ってきました。

初日は、ドイツ郊外のへクスターにあるSTIEBEL本社の実験棟と工場を見学。

STIEBEL ELTRONは、技術大国ドイツにて最も革新的な企業に授与されるイノベーション賞2017等を受賞しており、瞬間式電気温水器や最先端熱交換換気システム、ヒートポンプ給湯設備・環境設備のドイツのメーカーです。国内では50数パーセントのシェアを持ち、世界各国に拠点を広げ今は世界トップシェアのスーパーブランドメーカーです。 

 2015年広大な本社工場の隣に建てられた実験棟(エナジーキャンパス)、このエナジーキャンパスはドイツサステナブル建築協会により最も評価の高いプラチナの認証を取得した建物との事。

エナジーキャンパスの冷暖システムには、再生可能エネルギーである地下水が用いられており、また屋上や窓面に設置された120kwの太陽光発電による電気エネルギーはヒートポンプシステム等に活用され、更に余剰電力は蓄電池や大型の貯湯槽と連動制御することによって再生可能エネルギーをストレージそしてディストリビューションする事によって利用率を高められていました。また、発電した電力は電気自動車や電動自転車の充電にも充てられており、これから目指すべく将来の知的建物であると実感いたしました。

 北海道の緯度は46°程度、中心部で50°の緯度と寒い国であるドイツ。到着したのは3月中旬なのにアウトバーン沿いは雪が永遠と積もっており、外は吹く風も非常に寒くキツイ気候でしたが、建物内では薄着はもちろんの事、何とも言えない心地良く過ごせる空間に驚きで、そのことを技術畑のガイド約の方に質問すると、建物内部におけるCo2の数値までセンサーにより自動制御されているとの事でした。 道理で!

  

 写真撮影は限られた所のみOKでしたので内部の写真はこの程度。ちなみに工場内は全て撮影禁止でした。

  建物内はヒートポンプや換気システムが実演されており、制御システム含めた見学が可能で、システムの計測結果を常時表示されており、リアルタイムに状況を把握する事が出来、またこれらのシステムは敷地内の円形レストランにて体験する事が出来ました。

 

 翌日は、フランクフルト郊外にある住宅展示場へ最先端住宅の視察。

世界で最も厳しい省エネ基準で建てられた「パッシブハウス」からエネルギーをゼロではなく、+ αにする「プラスエナジーハウス」までがある、ドイツ国内でも最大規模の展示場を視察してきました。

ドイツは日本の様なハウスメーカーというのが存在しません。

それに代わり、各地域に大小のビルダーが存在し、各社 特色のある家づくりを行っているそうです。

マイスター制度のお国柄らしいですね!

聞くところによると、ドイツでは今後2025年までに一般住宅は勿論、商業施設も含め、全ての建物をプラスエネルギーにして行く法律が施行される予定であり、近年住宅の着工数も過去最高を更新し続けているとの事。

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早速、プラスエネルギー住宅の内部に入り愕然とした事が2つありました。

 一つ目は、高断熱を実現するために外周部の壁の厚みが異常に厚いことでした。

 

木質系のファイバーボードとフェノール系グラスウールらしき断熱材を組み合わせた外壁はなんと430mm! 中には木材を重ね合わせてこれを実現していた会社もあり、彼ら曰く「断熱材も含め全て木で作る住宅が当社のエコ住宅である」としきりに説明されていましたが、高性能な断熱材を使えば同じ性能を保持しながら壁の厚みを薄く出来るのにと率直に思いました。

 日本の住宅では、せいぜいこの半分程度の厚みであり、この様な壁厚を京都の土地事情の狭小間口で実現するのは難しい、e-sumaiでは、セルロースファイバーの断熱材を充填し、外壁側には旭化成が誇る高性能なネオマフォーム等の高性能なフェノールフォーム断熱材を外張りに加える付加断熱を行い窓には標準設定の樹脂サッシLow-Eのトリプルガラスを付ければ断熱地域区分がⅣの京都ではかなりハイスペックな住宅が出来上がります。

 

ドイツも日本と同じく無駄を嫌う国民性との事ですが日本人と違い、「材料を薄くして性能を高める」とか、「性能を維持しながらコンパクトにする」等の考えはどうも低いみたいですね?!

山も少なく、国土の半分が農地で海抜においても一定で平地が果てしなく続く国土に、一極集中している都市部が無く、16に分かれている州にまばらに人口分布している事も関係しているのかなとも思いますが、いずれにせよ、高断熱な住宅を作らせれば世界トップレベルのお国柄でした。

 

 あと一つが、熱源や換気設備が巨大である事でした。

多くのモデル住宅には玄関横に8帖程度の部屋があり、そこに貯湯タンクや暖房機器、全熱型の換気設備を押し込めた空間がお約束の様に有りました。

 

  土地の価格が高い日本では、この様にな巨大設備を設置するスペースを余分に取るのは現実的ではないでしょうし、もしとれたとしてもお客様は認めてくれず、打ち合わせでそのスペースは納戸か客間の和室にとって代わるのは確実ではないでしょうか(笑)

 

この日の夜、世界各国より集まったSTIEBELスタッフとクライアントを招いてのパーティーに呼んでいただきました。

 壇上の真ん中が現CEO。右側が会社のオーナーであり創業者の息子さん。そして、写真左のテーブルにおられる婦人がその奥様と娘さん。

 世界トップブランド、巨大企業のオーナー一族にしては意外と見た目質素なのに驚かされました。これも堅実なドイツ人ならではの事なのでしょうか。

 

 最終日はISHの会場へ。

4月にイタリアで開催されるサローネと比べると会場規模は少し小さく感じましたが、それでも1日では到底回りきることが出来ない規模の見本市会場。

早速、STIEBELブースへ直行。

 

 心なしか、会場内で一番賑わいがあるブース。

 

そんな展示会場で、凄いものが展示されていました。

それがこれ!

ヒートポンプで熱を作り、それを高効率に生かし貯湯し暖房にも使い、更に全熱式の熱交換型換気設備まで備えた多機能の機器にも関わらず、一次エネルギー換算値4.5とのアナウンス。

凄い!

でも高い!(想定提供価格250万円)

「何処に置くの?」というくらいデカイ代物!

でも魅力的な設備!

しかし、1.今のところは400V仕様なので日本の住宅では使えない。2.シャワーだけで、基本浴槽にお湯をはらない文化圏仕様なので、日本で使えても貯湯タンクの容量的にお湯切れの心配がある。

もう少し先に可能性を期待する設備でした。

 

 

新型のダクトレス換気扇。

これも230Vなので日本での使用は不可ですが、そのうち日本仕様を作っていただける事に期待します。

その他、小型の電気式瞬間湯沸かし器や換気設備の数々が展示されておりました。

 その他、色々と良いものを見学させて頂きましたので、ご報告出来る時には改めてご紹介させて頂きます。

 

 

 今回、ツアーに参加された方達は、北は北海道から南は鹿児島まで、皆さま住宅や設備のプロフェッショナルな方々ばかり。

現場施工での数々の出来事や参考になるお話しを、ツアー中沢山聞かせて頂き大変勉強になりました。

皆様と御一緒出来きた事に感謝いたします。 

 

 最後に、日本スティーベル株式会社の藤城社長、鈴木課長、山崎課長様、ありがとうございました。

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